〈正しい風景〉220 cm x 290 cm, 2021
〈scenery without deception〉220 cm x 290 cm, 2021
ステートメント〈正しい風景〉
 私の作品は抽象的な線や面で構成されています。抽象といっても基となる形があります。それは自分の視点から見える風景です。公園であったり、住宅街であったり、山や川など、日本に住んでいる多くの人が一度は目にしたことがある有り触れた景色です。
 私は人見知りで、相手の話を初めは信用しきれない性格です。時間をかけてコミュニケーションをとっていく中で、相手を理解していきます。理解したと思い込んでいて、とんでもない偏見や誤りをしていることもあります。嘘をつかれて全てわからなくなることもあります。
 目の前にある有り触れた景色にも同じ事が言えるかもしれません。自身が受けてきた教育や経験を基に表層情報を都合良く取捨選択しているように感じています。私は身近な風景に疑いをもつ行為を捉えることにしました。
 パネルに描かれた曖昧で抽象的な形は、正誤を問わず、かつ多角的な思考で、変形を幾度にも繰り返した風景の線です。何が正しく何が誤りなのか、100%信頼のおけるソースははたして実在するのでしょうか。調べれば調べるほど、多くの人の声を聞けば聞くほどに、物事の輪郭が曖昧になっていく様を作品は表しています。
 単純で身近な物、当たり前に存在するものこそ、半信半疑になる必要があると私は考えています。
2021年2月 大庭 孝文
STATEMENT〈scenery without deception〉
My work is composed of abstract lines and surfaces. Even though they are abstract, they have a base form. It is a landscape seen from my point of view. It could be a park, a residential area, a mountain, a river, or any other common scenery that anyone living in Japan might have seen.
I am a shy person and tend not to fully trust what others say at first. I take the time to communicate with people and understand them. Sometimes I think I understand them, and sometimes I am simply prejudiced or wrong. Sometimes I am lied to and don’t understand anything.
It’s the same with the ordinary scenery in front of us. We may only see the parts that are convenient for us. I paint while doubting the scenery I see. I believe that it is the simple and familiar things that we need to be skeptical about.
Feb. 2021 Takafumi OHBA
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